「ナカメサステナ部」とは
「ナカメサステナ部」はeepfが参加する「川で地域をつなぐ」地域プロジェクトです。
ナカメサステナ部は中目黒地域を流れる目黒川からの視点で近隣地域と連携しながらサステイナブルな活動を広げてます。

目黒川は思ったより短い川だった!
まずは目黒川のことをおさらいしましょう。
下の図にあるように目黒川自体は大橋の近辺から東京湾に流れ込んでいる水色の区間です。
自然な状態の目黒川には北沢川(きたざわがわ)、烏山川(からすやまがわ)、蛇崩川(じゃくずれがわ)の3つの川が流れ込んでおり、この3つの川が主な水源となっています。
ただし、現在は上流の多くの部分が下水道化されており実際には新宿区の水再生センターからの水が大橋から流れ込むようになっているとのことです。 また、目黒川の側面から流れ込む湧き水も多くあります。
ここで興味深いのは、目黒川の水源とされる3つの川の水源はいずれも世田谷区の湧き水や池なのです。 つまり非常に短い川であることが分かりました。(詳細は別の機会に・・)
ということは、地域的にも近隣なので、これらの地域とも連携しやすく、目黒川に対しても影響を与えやすいかもしれません。 機会があればそれぞれの川の水源めぐりも企画できればと思います。

まずは植栽をテーマにキックオフ!
まずは、目黒区のグリーンクラブ(区内の公園や緑道等の花壇を手入れする登録制のボランティア団体)への登録を目指し、中目黒にある「目黒区立目黒銀座児童遊園」の花壇の植栽を想定して検討しました。
「川がテーマなのになぜ公園の植栽?」と思われるかもしれませんが、サステイナブルな視点でみると雨の循環(水の循環)でつながっています。 それから重要なのは、この児童公園が暗渠の蛇崩川横に位置している(図参照)という偶然もあり、サステナ部としては最適な場所と思います。

この花壇での作業を想定し、キックオフを兼ねて事前の現地調査+勉強会+ネットワーキングイベントを開催しました。
■ 参加者
コアメンバー
・ 増茂しのぶ(目黒区議)
・ 毛利公美(東京有機農業研究会)
・ 町田聡((一社)環境教育普及推進フォーラム)
ゲスト講師
・笹川みちる氏(NPO法人雨水市民の会 / NPO法人雨水まちづくりサポート)
・吉岡ゆうこ氏((一社)日本コミュニティファーマシー協会)
地域連携メンバー
・中目黒小学校保護者の方
・緑道愛好会にわにわの方(北沢川緑道植栽活動)
■ 想定する花壇の現状
今はだれも管理していない状態となっています。

実は、花壇の場所には水場が近くにないという課題があり(水道まで30m以上ある)、雨水の利用ができないかを検討しました。

雨水タンクの設置や雨庭を検討
雨水の活用については「雨水市民の会」の笹川さんに、近隣住宅から雨水が得られ雨水タンクに貯めて活用できそうか可能性を調べていただき、地元の増茂さんにも検討していただきました。
近隣の許可や費用の点ですぐには実施が難しいことが分かり、水飲み場からタンクにためて運ぶ案なども出ましたが、どうするか今後の課題です。
雨水利用に関しては雨水タンク以外に、花壇の下で水を貯留できる雨庭*1)の仕組みを作ることも検討することにしました。 (今回は水道水の利用も含みます)
今回の雨庭の規模は小さいですが「雨 → 土中に一時貯留 → 川への流入を抑制」することができるので、結果的にすぐ横の蛇崩川から目黒川への雨水の流入を抑制することができます。 流域の多くの地点で雨庭を採用することで、近年頻発している大雨での内水氾濫 *2 )や浸水への影響を軽減することにつながり、防災の観点からも意義があります。 まずは、ナカメサステナ部で始められたら、近隣にも広がることを期待したいと思います。
*1 ) 雨庭:雨水を下水道に直接流さず一時的に貯留し、ゆっくりと地中に浸透させる構造を持った植栽空間
*2 ) 内水氾濫:排水能力を超えた大雨により、河川や下水道、側溝などから水があふれ出す現象

現地調査のあと、ミーティング場所に移動し、笹川さんと吉岡さんからは専門的なお話を、先輩の北沢川緑道で活動されている、にわにわさんには経験談やアドバイスをいただき、今後の進め方についてミーティングしました。

吉岡さんからはドイツの薬局の例として、薬局でハーブなどの薬草を処方するケースなどコミュニティと健康やウエルビーイングの観点からお話を伺い、植栽の選定にも薬草も検討できると良いと思いました。

ミーティング終了後のネットワーキング
想定される植栽場所の日当たりが悪く、水の手配も大変など課題が多い場所なので皆さんのお知恵と、できれば労力もお借りして、なんとか意味のある良い花壇にできればと、課題が多いだけに話も尽きず、キックオフにふさわしいミーティングになりました。
ナカメサステナ部の植栽活動が始まったら、自由に参加いただける機会を作る予定です。
活動の開催日が決まりましたら随時公開していきます。
さて、どうなることやら、なにしろやってみることに。
