「身近なサステナブルライフ」#2 自分の出すごみについて考える(洋服編)

私たちは20年前に比べて平均して6割増服を購入していると言われています。

日本総研の算出によると、日本国内で新規供給される衣類の量は81.9万トン(2020年)に上ります。 その約9割に相当する78.7万トンが事業者と家庭から排出されており、そのうち廃棄処分される量は51.0万トン。 つまり排出される衣類の64.8%が産業廃棄物や一般廃棄物として処分されています。

ポリエステル製生地などの安価な生地生産が可能になり、ファーストファッションが瞬く間に広がり、その代償が私たちの生活から遠く離れた土地(チリ、ガーナ、ケニアなど)に広がってきています。

チリのアタカマ砂漠は世界から送られてくる廃棄される洋服の埋め立て地があり、そこには毎年約3万9千トンもの洋服が廃棄されていると言われています。ポリエステル製プラスティック繊維は、その分解には200年以上かかるとされているため埋めずに焼却されますが、衣類を焼却することによる有毒ガスや土壌汚染、空気汚染や水質汚染にもつながります。
令和5年11月30日 消費者庁サステナブルファッションサポーター懇談会より

自分たちにもできる洋服の大量廃棄を減らす取り組みやアイデア

1「Buy less, buy better」買う量を減らし、質の良いものを買いましょう!
ファーストファッションは流行の服を安く購入できるのでついついたくさん買ってしまいがちですが、流行が終わると廃棄することがほとんどです。そういう服はなるべく避け、服を購入するときは長く大切に着るれるような服を選ぶようにしてみましょう。
長く着れる服:
①素材が良い服は直したりもできるし、再利用などにも使えます。
②流行で購入するのではなく、自分に似合うもの、好きなもので選ぶ。

※写真は物々交換ができる、「ぐるり0円ショップ」の例

2「リユース」着なくなった服の再利用化
  ・ 寄付する。
  ・ 交換する
  ・ オンラインなどで売る

3「リサイクル」
  ・ テキスタイルとしてリサイクル
  ・ 家具のクッション部分などのパーツ使い
  ・ アップサイクル
  ・ お店などのれサイクルプログラムへ持っていく

服を生産する側の取り組み

1サーキュラーエコノミーモデル
「サーキュラーエコノミーモデル」とは、ゴミと公害を減らすために、製品を再利用、リサイクル、直して使えるようにできるようなデザインにして、製品が長く使い続けることができるようにする仕組みのことです。

一部の洋服のデザイン会社でも「サーキュラーエコノミーモデル」に取り組み始めています。「サーキュラーエコノミーモデル」がスムーズに行われる為にも、洋服をデザインする時点でリサイクルしやすい生地を選んだり、リサイクルする際に危険な部品などを使わないようなデザインをします。

そのほかにも近年私たちの身近な洋服店の店先でも見かけられていますが、古い洋服をリサイクルするテークバックプログラムを提供している会社もあります。

2自然素材を採用する
自然素材の生地は私たちの肌への安全や着心地の良さだけではありません。
自然素材の生地、自然素材の染料を使うことで破棄するときにコンポストとして土に返すことができます。また、大量の化学染料が水質汚染などにもつながっています。化学繊維によるアレルギーや静電気による不快感なども敏感な人にとっては避けたい物です。

年々暑さが増す日本の夏、自然素材の服を着るだけでも肌への負担が軽減されます。特に麻の生地は汗を吸収しやすく、乾きが早いのでおすすめです。自分も気持ちよく、地球へも優しい洋服を着て、暑い夏を乗り切りましょう。

<著者プロフィール>
後藤妙子  ごとうたえこ
イギリス在住30年を経て2022年に千葉県へ移住。イギリスでパーマカルチャーの基礎やガーデニングの基礎を学ぶ。現在は家のリフォームをしながらアップサイクル作家、羊毛手紡ぎ、ハーブクラフト/ソーイング・ワークショップやハーブ を使った生活のzine作成。

>シリーズ企画:「サステイナブルライフを求めて」


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