葉山芸術祭(※1)で葉山在住の写真家、ブルース・オズボーン氏の作品展示があると伺い、5月1日に葉山を訪問。
作品は『Nature Calls』、『HAYAMA TIME』、『FLYNG OBJECT』葉山周辺の三か所に展示されている。
いずれの作品も葉山の身近な自然と向き合う日常や、捨てられるモノへのリスペクトから生まれた作品であり、ブルース特有の軽やかな表現ながらも、自然(環境)やモノに対する深い愛着が感じられ、葉山の町になじんでいたのがとても印象的だ。
当日は、ブルースさんと井上佳子さんにお出迎えいただき、それぞれの展示場所で作品について伺った。(※2)
※1葉山芸術祭は、神奈川県三浦郡葉山町とその周辺エリア(逗子・横須賀・鎌倉の一部を含む)で毎年ゴールデンウイーク前後に開催される地域住民が主体となる市民によるアートフェスティバル。
※2インタビュー動画は後日掲載予定。
『 Nature Calls 』
葉山の海岸で拾い集めた様々な漂着物、ライターや電池の残骸、ペットボトル、ペットボトルのキャップ、台所用品、サンダル、陶器の破片など、ブルースはそれらを拾うビーチコーミングを続けるなかでゴミをコレクションし、写真を撮るようになったという、そこから「Nature Calls」という作品シリーズが始まった。
この街角パネルはペットボトルのキャップだけを選んで撮影している。


『 HAYAMA TIME 』
鎌倉幕府を開いた源頼朝によって800年以上前に創建されたと伝えられる森戸神社(森戸大明神)、地元の総鎮守として、地域住民はもとより、多くの人々から崇敬を集めている。 その森戸神社の境内に『 HAYAMA TIME 』はあった。
海岸から見える同じ場所の景色だけで構成されているこの作品は、異なる時間や天候が一つに合成されている。
特に空の色が様々に変化するさまが美しい作品で、一目で海岸の雄大な移り変わりを堪能することができる。
悠久の時が流れる森戸神社にふさわしい作品である。



『 FLYNG OBJECT 』
ギャラリーLANAI(ラナイ)には葉山ゆかりの作家の作品が展示されていた、ペイントやオブジェなど、どの作品もゆったりした葉山の土地に溶け込むように、民家を改装して作られたキッチン付きのアートスペースに収まっていた。

ブルース・オズボーンの作品は「 FLYNG OBJECT 」シリーズ。
空を背景としたペイント作品、と思ってよく見たら、なんと実物?、そうすべて写真だ。
そもそも空が背景、そして実物(捨てられるもの)がこのように浮遊状態にあること自体が不思議である。
被写体を空中に放り投げ下から撮影すると聞いて納得したが、かなり大きく重そうなものもあり、さぞ大変な撮影だったと思う。 その結果がこのプリントに絵画のように記録され、捨てられるものへのオマージュとして表現されている。 この「 FLYNG OBJECT 」シリーズで表現された「捨てられるものへのオマージュ」をきっかけにこの後の「NatureCalls」などの環境をテーマにした作品としてブルース・オズボーンの仕事が広がっていった。



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